不妊治療の保険適用について調べてみました(前半)

令和4年4月(ってもうすぐそこ。。)から、不妊治療に対する保険適用が開始されることが以前から話題となってますね。令和2年の管政権の時に検討が始まり、ついに令和4年2月9日には厚生労働省から、人工授精の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」に対して、4月から新たに保険適用されることが発表されました。

今まで、特定の不妊治療の医療費は全額自己負担となっていたいました。各自治体からの助成金は出ていましたが、保険適用でやっと患者さんの負担が減るというメリットはとても大きいことです。そして、メリットだけではなく、やはりデメリットもありそうです。

今回はちょっと長くなりそうなので、前半と後半に分けてみました。

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不妊治療の保険適用の背景

女性の社会進出やライフスタイルの多様化などを背景に、晩婚化が進行、近年の平均初婚年齢は、男性は31.2歳、女性が29.6歳(2019年人口動態統計)で、第1子出産時の年齢は30.1歳と年々高くなってきています。

不妊治療を受ける夫婦は、5.5組に1組とも言われています。

不妊治療は、子供を希望するカップルの選択肢として広がっている一方で、経済的な負担が課題となっていました。

少子化社会対策の一環として、2020年12月に管内閣の政府の方針により、2022年度から保険適用を開始するために検討が行われてきました。

保険適用はいつから?

2022年4月から

以前から2022年度の初めから保険適応を開始する目標で検討されていましたが、2月後半にやっと詳細が決まってきた状況です。(最新情報は、厚生労働省のサイトから確認できます)

そのため、多くの不妊治療クリニック・病院はまだ金額の変更・Webサイトの更新が追いついていないのが現状のようです。

保険適用の対象となる治療法とは?

不妊治療においては、2022年3月以前から、検査や原因疾患への治療に対しては保険が適用されていましたが、原因不明の不妊に対する治療などに対しては保険適用外でした。

2022年4月からは、

・一般不妊治療 ー タイミング法・人工授精

・生殖補助医療 ー 体外受精・顕微授精・男性不妊の手術

が保険適用となります。

<新たに保険適用される範囲>(厚生労働省:不妊治療に関する資料 抜粋)

ただし、第三者の精子・卵子を用いた生殖補助医療は、まだ保険適用の対象外となります。
また、卵子凍結などの胚移植術を目的としていない採卵、凍結などは保険適用外のようです。

先進医療との併用

先進医療とは、未だ保険診療として認められていない先進的な医療技術について、安全性・有効性等を確保するために施設基準等を設定し、保険診療と保険外診療との併用を認め、将来的な保険導入に向けた評価を行う制度です。

厚生労働省:不妊治療に関する資料

先進医療と保険診療との併用は可能で、患者さんにとっては、保険適用されている治療には保険が適用され、先進医療部分は患者さんの自己負担になります。

今回は、特定の技術(タイムラプス、PICSI、子宮内細菌叢検査、SEET法など)が先進医療として提供され、2段階胚移植法やなどはまだ審議中とされているようです(2022.2.21現在)

実施する医療機関は厚生労働大臣への届出または承認が必要になってきますので、どんな技術が受けられるかは病院・クリニックによって変わってきます。

対象に年齢制限はある?

一般不妊治療に対しては年齢制限などはありませんが、生殖補助医療に関しては、女性の年齢生殖補助医療開始日において43歳未満である必要あるようです。

また、胚移植に関しては、治療開始日の年齢が

・40歳未満である場合 ー 患者1人につき6回まで

・40歳以上43歳未満である場合 ー 患者1人につき3回まで

と、されています。

男性の年齢制限はなく、婚姻届を出していない事実婚も対象になるようです。

(後半へ)

後半は、保険適用のメリットとデメリットを考えてみました。
実際に実施されるまで(というか、実施されても当分は混乱しそうですが。。)、不明な部分も多そうですが、いずれにしろ患者さんにとって負担の少なく、そしてメリットの多い結果になることを祈るのみ。

後半はこちら

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