“テニス肘でラケットが振れない”不安から、再びプレーを楽しめるようになるまで

「テニス肘って自然に治るの?」「鍼灸は効果ある?」と気になる方へ。
この記事では、私自身のテニス肘の克服経験を交えながら、原因や症状、一般的な治療法、鍼灸でのアプローチ、セルフケアの方法までをわかりやすくお伝えします。

はじめに:私自身の体験から

こんにちは。アミカ鍼灸院です。


善福寺に治療院をOPENする少し前の2023年3月から、テニススクールに通い始めました。
最初は週1回だったのが、気がつけば週2〜3回というハイペースに…!😆

そんな私ですが、実は今年、テニス肘(外側上顆炎)を経験しました。

きっかけは練習中の「なんだか肘がおかしいな…」という小さな違和感でした。
その日は少し疲れ気味で、さらに普段よりレベルの高いクラスに参加したこともあり、練習後には「肘が痛いなぁ…頑張りすぎちゃったかな?」と感じた程度。
「少し休めば治るだろう」と思っていたのですが、痛みは次第に強くなっていきました。

さらに「まぁちょっと痛いけど大丈夫」と軽くみてテニスを続けていたところ、症状はどんどん悪化。

ついにはスマホを持ち上げる動作すらつらくなり、「このままテニスができなくなるのでは?」という不安に襲われたのを今でも覚えています。

テニス肘とは?原因と症状

テニス肘は、正式には外側上顆炎と呼ばれ、肘の外側にあるスジ(腱)が炎症を起こすことで痛みが出る症状です。

決して珍しいものではなく、一般成人では年間1〜3%が発症するとされ、さらにテニスをする人では約40〜50%が一度は経験するといわれています。つまり「誰にでも起こりうる、身近な症状」なのです。

主な原因

  • テニスやラケットスポーツなどで手首を酷使する
  • パソコンのマウス操作や料理など、繰り返しの家事・作業
  • 加齢による腱の変化

つまり、前腕の使いすぎ腱の弱まりが重なったときに起こりやすいのです。

よくある症状(日常の“ちょっとした動き”で痛む)

  • コップやスマホを持ち上げると痛い
  • タオルを絞ると肘の外側が痛む
  • 握力はあるのに「力が抜けるような痛み」が走る
  • フライパンが持てない
  • ペットボトルのキャップが開けられない
  • 寝返りや布団を直すときに痛む

私の場合も、スマホを持つだけで痛みを感じ、日常生活にまで影響が出ていました。

テニス肘の一般的な治療法

さて、テニス肘になったとき、どんな治療法があるかご存知ですか?

病院や整形外科では、次のような方法が一般的です。

  • 安静・サポーター
     肘や手首を休め、サポーターで負担を減らします。
     日常生活の動作もできるだけ肘に負担をかけないように工夫します。
  • 薬物療法
     必要に応じて湿布や痛み止めの薬、炎症を抑える注射などが処方されることもあります。
  • リハビリ・ストレッチ
     前腕や手首の筋肉を柔らかくし、少しずつ負担を減らすようにします。
     特にタオルを使った手首を反らすストレッチはよく用いられます。
  • 手術(まれなケース)
     保存的な治療で改善しない場合には、腱の炎症部分を処置する手術が選択されることもあります。

大切なのは「早めの対応」

テニス肘は自然に良くなることもありますが、放置すると長引いたり再発しやすくなったりします。
そのため、「少し痛いけど大丈夫」ではなく、早めにケアを始めることが大切です。

私のように「痛いけど大丈夫!」と無理をしてしまうと、かえって回復が遅くなってしまいます。
同じ失敗をしないよう、気になる痛みは早めに相談してくださいね。

鍼灸でのアプローチ|テニス肘にどう効く?

一般的な治療法に加えて、鍼灸はテニス肘の改善にも有効な方法のひとつです。
鍼やお灸で肘や前腕のツボを刺激することで、次のような働きが期待できます。

  • 筋肉の緊張を和らげる
     肘や前腕のこわばった筋肉をゆるめ、負担を軽減します。
  • 血流を促進する
     滞った血流を改善し、炎症の回復をサポートします。
  • 痛みをやわらげる
     神経の働きを整え、痛みの伝わり方を調整します。
  • 体全体のバランスを整える
     肘だけでなく、肩や背中の筋肉の使い方を改善することで、再発を防ぎます。

実際に私自身も鍼灸治療を受けることで、施術後には「緊張が取れた」「痛みが軽くなった」「動かしやすくなった」と実感できました。
もちろん一度で完治するものではありませんが、定期的にケアを続けることで少しずつ改善し、今ではまたテニスを楽しめるようになっています。

私の体験と改善の道のり

一番つらかったのは、ラケットを振るのが怖いと感じるほど痛みが強くなったときです。
日常生活でも、スマホを持ち上げるだけで肘に痛みが走り、買い物袋やフライパンを持つのも負担になっていました。

「このままテニスができなくなるのでは…」という不安が頭をよぎるたびに落ち込んでいました。
でも、ここでテニスを中断するという選択にはいかず、「肘が痛くなる打ち方(フォーム)」を改善するいい機会だ!と考えて、フォームを崩さず、できるだけ痛みの出にくい動きを意識しながらプレーを続けていました。

同時に、鍼灸治療を定期的に受けました。
施術のあとは「緊張が取れた」「痛みが軽くなった」「動かしやすくなった」と感じることが多く、続けることで少しずつ希望が持てるようになりました。

もちろん、すぐに治るわけではありません。
テニスを続けていたため、痛みが戻ることもありましたが、半年ほど経つころには「もう気にならない」と言えるくらいに改善してきました。
時間はかかりましたが、少しずつ前進していけることを実感できました。

同じように「このまま好きなことが続けられないのでは」と不安を抱えている方もいると思います。
でも、適切なケアを重ねることで、きっとまた前向きに楽しめるようになります。

今ではまた安心してラケットを握り、テニスを楽しめています。

セルフケアの方法|テニス肘を悪化させないために

治療と並行して、自分でできるケアを取り入れることで、回復が早まったり再発を防いだりすることができます。
ここでは、私自身も実践して効果を感じた方法をご紹介します。

  • テニス後のアイシング
     プレーや家事のあとに肘が熱っぽいと感じたら、保冷剤や氷で5〜10分冷やしましょう。炎症を抑える効果があります。
  • 前腕や手首のストレッチ
     手のひらを下に向けて、もう片方の手で指先を軽く押し、手首をゆっくり反らします。
     無理をせず、心地よい範囲で1日数回行うのがおすすめです。
  • フォームの見直し
     テニスをされる方は、ラケットの握り方やスイングが肘に負担をかけていないかを確認することが大切です。
     コーチにチェックしてもらうのも再発防止になります。
  • 日常生活での工夫
     重い荷物は片手ではなく両手で持つ、フライパンは両手で扱うなど、負担を分散させる意識を持つと安心です。

セルフケアの注意点

セルフケアはあくまで補助的なものです。
強い痛みがあるときに無理にストレッチをしたり、我慢して使い続けると、かえって悪化することもあります。
「ちょっとした工夫で楽になる」程度に取り入れるのがポイントです。

よくある質問(Q&A)

テニス肘は自然に治りますか?

軽症の場合は自然に回復することもあります。
ただし、無理をして使い続けたり、ケアをしないまま放置すると長引いたり再発しやすくなります。
早めの対応が回復への近道です。

テニスを休まないと治らないのでしょうか?

必ずしも完全に休む必要はありません。
痛みの程度によってはフォームを工夫したり、負担を減らす練習に切り替えることで続けられる場合もあります。
ただし「痛みが強いときは無理をしない」ことが大切です。

鍼灸はどのくらい通えば効果がありますか?

個人差はありますが、1回でも「楽になった」と感じる方は多いです。
ただし根本的な改善には継続的なケアが必要で、数週間〜数か月かけて少しずつ回復していくのが一般的です。

テニス肘はテニスをしていない人でもなりますか?

はい、なります。
料理、パソコン作業、育児など、日常生活の繰り返し動作でも発症することがあります。
「テニスをしていないのに…」と驚く方も多いですが、決して珍しいことではありません。

予防する方法はありますか?

テニス後のアイシング

前腕や手首のストレッチ

フォームや道具の見直し

日常生活で負担を減らす工夫

を意識することで、再発を防ぎやすくなります。

まとめ:不安から希望へ

テニス肘になると、
「このままテニスができなくなるのでは…」
「日常のちょっとした動作すらつらい…」
そんな不安や落ち込みを感じる方は少なくありません。

私自身も同じように悩みましたが、鍼灸治療やセルフケアを続けることで少しずつ改善し、今ではまたテニスを楽しめるようになりました。
時間はかかりましたが、前向きに取り組むことで「不安」が「希望」へと変わっていきました。

テニス肘は我慢すれば良くなるものではなく、早めにケアすることで回復が早まり、再発も防ぐことができます。
同じように痛みで悩んでいる方がいれば、ぜひ一度ご相談ください。

「また笑顔でラケットを振れる日」を一緒に目指していきましょう。

テニス奮闘記をたまにNoteの記事にしてます。ご興味があれば覗いてみてくださいね。