生理不順(月経不順)はストレスからも起こります

女性の悩みの代表格としてあげられる月経関係の悩みを持っているため不安や心配で病院を訪ねる方、また、鍼灸治療を受けに鍼灸院へ通われている方も多くいます。月経の問題すべてが医療を必要とするものではありませんが、重大な病気が隠れている場合もあるので注意が必要です。月経異常は、発達の過程であったり、生活の乱れによるものであれば、生活改善やセルフケアで正常に戻ることも少なくありません。

さらに、今後、赤ちゃんが欲しいと思っている方々にとって、月経に問題がある場合には、早めに対処して、いつでも妊娠できる準備をしておきたいものです。

今回は、生理不順と鍼灸セルフケアについてのお話です

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正常月経とは

さて、そもそも正常な月経って何を指すのでしょうか?

月経に関する定義として

  1. 周期の長さ(周期日数)
  2. 出血の持続期間(月経持続日数)
  3. 出血の量(経血量)

の3つの要素が重要となってきます。

1〜3が正常範囲にあり、さらに、PMSなどの月経に伴う病的な随伴症状がない状態を「正常月経」といい、逆に正常月経ではない状態を「異常月経」と定義されています。

月経周期
月経周期日数:「月経開始日〜次の月経開始日前日前の日数」
正常範囲:  月経日数が25〜38日の間で、±6日以内。
正常範囲外: 月経周期24日以内/月経周期39日以上/月経周期不定期

月経持続日数
正常範囲 :  3〜7 日
正常範囲外:  2日以内/8日以上

経血量
異常に多い、異常に少ないというのは正常範囲外。

日本産婦人科学会「月経に関する定義」

ただし、量は人と比較することがないのでとっても難しいのですが、多い日にナプキンを2-3時間おきに変えなくてはならなかったり、経血にドロッとした塊いが出てくる日が2日以上続いたりするのは量が多すぎる目安です。また、ナプキンに少量の経血がつく程度の日が月経期間中ずっと続いている場合には、少なすぎる目安となります。

生理不順とは

前述の正常月経の定義の中でも「月経周期日数」、「月経持続日」が正常範囲でないものを、生理不順、または月経不順と呼ばれます。

生理不順(月経不順)になる原因

10代〜30代後半

10代〜30代後半までに起こる生理不順の原因は「ホルモンバランスの乱れ」です。

月経をコントロールするホルモンを分泌は

  • 視床下部
  • 下垂体
  • 卵巣

の3つの器官が連携して行っています。このうち1つでも異常が起きると、月経が始まらなかったり、周期が乱れたりといった異常が発生します。

脳の一部である「視床下部」と呼ばれる器官は、特にストレスに影響を受けやすいと言われています。そのため、家庭内、職場、学校などで精神的ストレスで、ホルモンバランスが崩れ月経不順になってしまうこともあります。

また、ホルモンバランスを乱す要因としては、ストレス以外にも

  • 激しい運動(特にアスリートに多い)
  • 無理なダイエット
  • バランスの悪い食生活

といったことも生理不順の原因となってきてしまうのです。

30代後半以降

30代後半から40代半ばは、更年期の準備段階の時期に入ってきます。(更年期は、閉経の前後5年間とされています)更年期の準備段階は、加齢に伴う卵胞の数の減少や卵巣の機能低下によっておこる閉経に向けて心身の変化が生じ始める時期となります。

この時期は、卵胞の数が減ってくるので、まずは一般的に月経周期が短くなり、月経日数自体が少なくなったり、少量の出血が長く続いたり、月経量が減るまたは極端に増えて貧血状態になるといった月経不順が現れてきます。

更年期の準備段階や更年期の生理不順は加齢とともに、誰にでも起こることになります。

生理不順だと何が困る?

さて、生理不順だと何が困るのでしょうか?

生理はやはり色々とめんどくさいもの。旅行中に生理がきてしまうと、一緒に温泉に入れないとか、宿で寝るときに「漏れ」を心配が出てくるとか、色々と気を使うものです。いつ生理が来るのか予測が立てられないと、毎回、生理の心配をしなくてはいけません。

と、これくらいなら単純で良いのですが、影響がくるのはもちろん「妊娠!」です。
生理周期に異常がある場合は、排卵のタイミングをとることが難しくなります。また、生理周期が短すぎる場合は、排卵が起きていなかったり、着床するための内膜がしっかり厚くならなかったりといった問題が出てきます。また、生理周期が長いと、そもそも妊娠できるタイミングの回数も減ってしまったり、生理が不順だけでなく、無月経の状態になっている場合は、生理が正常にくるように治療が必要になってきます。

また、生理不順の原因はホルモンバランスの悪さであることを考えると、その影響は、お肌への影響、睡眠への影響、お通じへの影響など、多方面に影響を及ぼすことでしょう
そのため、女性にとって、正常な生理を迎えることは、実はとーっても大事なのです。

生理不順(月経不順)の予防・改善

規則正しい生活

働きすぎやストレスなどでホルモンバランスは崩れてきます。過労にならないようにしっかり休養をとり、バランスの取れた食事を規則的にとるように心がけましょう。

良質な睡眠

ホルモンバランスと睡眠は深く関係しています。ホルモンバランスの崩れは睡眠に影響し、また、逆に良質な睡眠が取れないとホルモンバランスの崩れにつながります。できる限り、お肌にとってもゴールデンタイムである、夜10時前にはお布団に入りましょう。夜10時〜午前2時までの4時間にどれだけ睡眠が取れたかが重要になるらしいです。

体重は標準体重をキープ

肥満(BMI 25.0以上)の63%の方には、無月経、月経周期の遅れ、月経量の減少が起こると言われています。なぜなら、卵巣から女性ホルモンだけなく、副腎や脂肪組織から男性ホルモン・女性ホルモンの異常産生・分泌が行われてしまい、月経不順・排卵障害の原因となります。また、これが不妊症の原因にもなってしまいます。

また、ダイエットや運動などで体脂肪率が22%いかになってくると月経不順、月経異常が起こりやすくなってくることも知られていて、さらには、体重ば5kg以上、または10%以上の減少、体脂肪率が17%以下になると、体重減少性無月経にもなってしまいます。

そのため、標準体重をキープすることが重要なのです。

鍼灸治療で生理不順対策

東洋医学では、月経の状態や周期についての情報やあなたの体質や普段の状態も重視しながら、生理不順になってしまった原因を探っていきます。

疲れやストレス、夜更かしなどが続いたために、生命活動のエネルギーである「気(き)」が不足して、血行のコントロールができなくなって周期は早まってしまうと考えたり、また、身体が冷えていることによって、気が滞り、血行が阻害されてしまうことで周期が遅れてしまうと考えてたりしながら、適切な場所に、鍼で刺激をしたり、お灸を使って温めたりすることで、身体のバランスを整えていきます。

セルフ灸のすすめ

自宅で自分の時間にお灸をする「お灸女子」も増えています。消化機能をUPや血流改善目的に、自宅で簡単にできるお灸を使ってみてはいかがでしょうか?また、治療院では、あなたに合わせたセルフお灸の指導もしていますのでご活用ください。

おすすめのツボ①:三陰交

【場所】 内くるぶしの一番高いところから指4本分上で、骨と筋肉の境目。

【効能】 生理トラブル、不妊症、冷え性(お灸)、めまい、更年期障害など様々な症状に。

おすすめのツボ②:太衝

【場所】 足の甲側で親指と次の指(第二指)との骨の間を撫で上げていき、骨と骨とが交わる手前(谷側)で指の止まるところ。
【効能】 ホルモンバランスの改善、ストレス対策

おすすめのツボ③:関元

【場所】 身体の真ん中のラインにあり、おへその指4本分下。
【効能】 婦人科系(妊活の体質改善・不正出血・生理痛・生理不順など)、泌尿器系(頻尿・尿が出にくい・膀胱炎・尿失禁)

(参考)月経らくらく講座 – もっと上手に付き合い、素直に生きるために – 松本清一監修 文光堂

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