妊娠しやすいカラダを作ろう⑦ー栄養編(その5: ビタミンD)

前回の続きで、先日の勉強会の内容は、臨床分子栄養学研究会認定医でもある新百合ヶ丘総合病院消化器内科/予防医学センターの袴田先生による発表で、「「分子栄養学」で日本の少子化を変える!」という素晴らしテーマでした。

前回は「鉄 – 卵子の質・子宮内膜の質UP」でしたが、今回は「ビタミンD」!

最近の不妊治療クリニック・病院でも、最初の血液検査でチェックするところも増えてきているので、だいぶ浸透してきているようです。ビタミンDも日本人は不足しがちの栄養素。ビタミンDの重要性を理解して、しっかり摂取していきましょう!

ビタミンDについて

「ビタミンD」って、どんなイメージがありますか?

遠い昔、学校で習った時には、ビタミンDはカルシウムのバランスや骨の健康の維持に関わる重要な栄養素だと習った記憶があります。が、実はこのビタミンD。彼らのお仕事はこれだけじゃなかったのです。

ここ20年くらいでビタミンDに関する研究が進んでいて、ビタミンDは、私たちの身体の中でなかなかな活躍っぷりをみせてくれていることがわかってきたそうです。

ビタミンDの役割

最近の研究では、こんなこともわかってきたそうです・・・

  • 免疫力アップ効果キラキラ
  • 抗ガン作用音譜
  • 感染症予防キラキラ
  • 糖尿病予防音譜
  • 血圧コントロールキラキラ
  • 自己免疫疾患を予防音譜
  • うつ病を予防キラキラ
  • 妊娠しやすい身体作りニコ

ちょっと。。すごくないですか。。ビタミンD・・・。

ビタミンDはどのように体内で作られる?

そんなビタミンDは以下の2通りの方法で体内に作られます。

  1. 皮膚でビタミンD合成     
        必要なもの:紫外線(UV-B)   
  1. 食べ物からビタミンDを摂取      
    例:牛乳・きのこ類・鮭など  

作られた(摂取された)ビタミンDはとりあえずまずは肝臓で代謝され、25(OH)VD(25ヒドロキシビタミンD)となり、腎臓でまた代謝されて1,25(OH)2VD(ジヒドロキシビタミンD)となりこれは、活性型ビタミンDとも言われ、骨の代謝に関わる物質として有名なものになります。

これが、ここ20年くらいで、実は・・・・腎臓でだけではなくって、体の色々な部分でビタミンDが活性型に代謝されれているのではないかと言われてきているそうです。

全身の細胞の中にはビタミンD受容体(VDR)と言われる受け皿があり、この受容体と結合し、VDRを活性化することによって、遺伝子の発現に作用していることがわかってきたそうです。

遺伝子の発現ってなんだ!?って話ですが・・・

人の細胞には「核」といって、ここには、DNAと呼ばれる遺伝子というものがあります。

遺伝子は、タンパク質などの設計図。設計図があるだけでは細胞が生まれないので、設計図を読み取って、タンパク質などを作ってくれることを、難しい言葉で「発現」と言います。

これが「発現」!!

この「発現」のスイッチのON /OFFをコントロールしているのがビタミンDのお仕事じゃないかということがわかってきたそうです。実はこのお仕事、ステロイドホルモンも似たよう仕事をするため、ビタミンDはステロイドホルモンの仲間なのでは?といった解釈もあるようですよ。

ビタミンDと妊娠の関係

ビタミンDは最近は産婦人科領域ではとっても注目されているってご存知ですか?

ビタミンDは質の良い卵子を作り、受精卵を子宮に着床させやすくする作用があると言われ、また、ビタミンD欠乏では、不妊不育症との関連や、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)、子宮筋腫や、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病や早産など周産期合併症との関連が多く報告されてきているそうですよ〜。

  • ビタミンDは子宮内膜の環境を整えるために、着床に必要
  • 子宮内膜の着床環境に関与
  • 40代ではビタミンD濃度が低い女性ほどAMHの値が低い(※1)
  • PCOS(多嚢包性卵巣症候群)の女性はそうでない女性に比べてビタミンD不足が多く、ビタミンDを補充することで排卵率が改善
  • 体外受精での低い着床率や妊娠率に関連(※2)
  • ビタミンD濃度が正常な女性は不足している女性より体外受精の妊娠率が上昇
  • ビタミンD不足は初期流産のリスク上昇と関連
  • 習慣性流産の女性はビタミンD欠乏が多く、免疫異常のリスクも高い
  • ビタミンD欠乏の男性の精子は、製紙運動率や前進精子運動率、正常精子形態率が低い
  • ビタミンDが低いと妊娠糖尿病リスクが高まる

などなどが様々な研究で報告されているそうです。

女性だけでなく、男性にとっても妊娠力UPに良いとされているそうです。

(わかる範囲の情報源)

※1 Dennis NA, Houghton LA, Jones GT, van Rij AM, Morgan K, McLennan IS (2012) The level of serum anti-Müllerian hormone correlates with vitamin D status in men and women but not in boys. J Clin Endocrinol Metab 97, 2450-2455
※2 Chu J, Gallos I, Tobias A, Tan B, Eapen A, Coomarasamy A. Vitamin D and assisted reproductive treatment outcome: a systematic review and meta-analysis. Hum Reprod. 2018;33(1):65-80.
 

ビタミンDを調べよう

では、必要なビタミンDの量ってどのくらいなのでしょうか?

血の中のビタミンDの量は血液検査でわかります。

普通の健康診断の血液検査の標準項目には入っていないので、知りたい場合は、病院での検査時に項目を追加してもらえるようにお願いする必要があります。前述もしましたが、不妊治療クリニックでは

最近では、不妊治療をされている方は、最初の検査項目になっていとことも多いので、検査結果を確認して見ましょー。

確認する項目は、「25(OH)VD」という項目。

最新の研究では、この「25(OH)VD」(ビタミンDの血中濃度)が40ng 〜60ng/mL程度あると、妊娠の期待度も高くなるそうです。

ビタミンD不足の改善方法

摂取方法は2通り。

  1. 食事摂取
  2. 日光浴(紫外線)


ちなみに、ビタミンDは、厚生労働省が出している日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人の摂取目安量は8.5μg(340IU)、上限は100μg(4000IU)とされています。摂取目安量はあくまでもビタミンD摂取不足による「くる病」にならない目安なので、できれば、1日50μg(2000IU)程度は取りたいですね。

食事からの摂取

豆知識ビタミンDの種類って、2種類あるって知ってましたか?
(実はD2〜D7まであるけど、D4〜D7は食品にはほとんど含まれていないので無視しても良いようです)

■ ビタミンD2 キノコ類に含まれる
■ ビタミンD3 魚類に含まれる


といっても、体の中ではほぼ同等に代謝されるようなので、まとめてビタミンDと考えて良いようですが・・

ビタミンDの豊富な食べ物

  • 干しシイタケ 2個(約6g)→ ビタミンD 0.8μg(32IU)
  • キクラゲ 2個(約2g)→ ビタミンD 1.7μg(68IU)
  • シラス干し 大さじ2(約10g)→ ビタミンD 6.1μg(244IU)
  • イワシ 2尾(約110g)→ ビタミンD 35.2μg(1408IU)
  • べに鮭 一切れ(約80g)→ ビタミンD 25.6μg(1024IU)   
  • あん肝(生) 60g → ビタミンD 66μg(2640IU)

紫外線による生成

地表に届く紫外線にはUBA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)。
地表に降り注ぐ紫外線の約9割はUVAで、家のなかや車の窓ガラスも透過して肌にも到達しますが、UVBは、屋外にいないと体には届きません。


ビタミンDを作るために必要なのはUVB!

関東地方(筑波)では、摂取目安量の8.5μgのビタミンDを生成するのに7月の12時で5分程度、12月の12時で25分以上程度かかるそうです。紫外線は日焼けによる肌のダメージも問題になるので、食事と合わせて効率的に摂取していきたいですね。

(情報源)
体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定
-札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要-
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2013/20130830/20130830.htm

ちなみに、私も以前初めてチェックした時は、20ng/mL ちょっと。。。もうちょっと太陽浴びないとですね。。。。

不妊治療と鍼灸治療

鍼灸師になってもうすぐ15年。キラキラ

鍼灸師になったばかりの時に初めての勤務先は不妊治療をメインにしている鍼灸院でした。当時は、不妊治療もまだまだ今のように認知されていなかったのですが、多くの患者さんが不妊治療を目的に治療院にきていたことを記憶しています。

現在は不妊治療をうたっている鍼灸院は星の数ほどありますが、どこにいけばいいのかわからないと、悩んでいることも多いかと思います。

病院もそうですが、鍼灸治療も治療院や施術者との相性が良いかどうかも、大きなポイントです。まずは、「ここ良さそう」と思う自分の直感を信じて、問い合わせや治療を一度受けてみるなど、一歩踏み出してみることも重要ですよ。

興味のある方はぜひお問い合わせください⬇︎⬇︎

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